アフリカの魔女小説外伝さわりのみ
「けけケイさん~たたた大変です~!」
天幕の外から真美の声が響く。
「どうしたの、皇国ウィッチはもっとお淑やかにね」
天幕から出て、慌てている真美の頭に手を置いてなだめるが、それでもまだわたわたしている。
一体どうしたのかしら。
「あああ、あの、私」
「うん?」
「背が伸びてます!」
嬉しそうに真美が叫ぶ。
そうだっけ?
頭の天辺から足の先までをじっと見つめて、ちょっと前の記憶を掘り返す。
確か初めて会った時は……ああ、あの時は真っ直ぐ前を見ると視界に入らないぐらい小さかったっけ。
それが今は、同じ目線で頭のてっぺんが見える。
「うん、確かに伸びたわね」
「そうですよね、間違いないですよね!」
成長期なんだ~若いな~。
「これって、アフリカに来たからでしょうか!」
食生活と生活環境の変化? うーん、適度な運動と魔法力の使用、それよりも成長期なのが一番の原因じゃないかな。
陸軍の戦闘服は、少々背が伸びてもあうようにはなっているけど、手甲と脚甲はあんまり成長すると新しいのにしないと。
それとストライカーユニットのバランス調整もしないとね。
そんなことを思いつつ、背が伸びた事を喜んでいる真美を見て、思わず微笑みを浮かべる。
大きくなったと言ってはいるが、どうみてもまだ本来の基準身長には達していない。
扶桑海事変の消耗のせいで、身長基準は一時的に撤廃されたけど。
というか、本当は「豆タンク」のあだ名があるウィッチのせいで撤廃されたのよね。
もの凄い魔法力と戦闘センスがあるのに、背が低いという一点で志願をはねられたあるウィッチが、あれこれ手を尽くして入隊、しかも戦場で大活躍したんだ。
身長基準なんて言ってられなくなるのも仕方ない。
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と言うわけで、久しぶりの更新です。
アフリカシリーズの小説パートをまとめた「ストライクウィッチーズ~アフリカの魔女~ケイズ・リポート」が3月1日角川書店スニーカー文庫から発売になります。
表紙は島田フミカネさん描き下ろし、挿絵は野上武志さんになります。
角川サイトでの紹介は以下の通り↓
http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201112000098
ちなみに、上の話はさっき出かける前にふっと思いついた話なので、この本には載っていません。
機会があれば、続きも書きます。
あ、今アマゾン見たらアマゾンの発売は2月29日になってるな。
閏年なんだ、今年。
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Comments
初めてコメントさせていただきます、タカ&ユージと申します。
以前はお世話になり、その節は本当にありがとうございました。
又、先ほどコメントしたんですが、表示されないようなのでもう一度コメします。連投ならすいません。
3月は劇場版もあり、目白押しですね。楽しみです!
田舎はこういう時辛いですね。。。
Posted by: タカ&ユージ | February 06, 2012 11:55 PM